At Hospital(After Replacement Matches) (11)

翌日も、ジェイドは夕方スカーフェイスの病室を訪れて、暫く時間をつぶしては、帰っていった。
その翌日も、同様だった。
しかしながら、その夜・・・ジェイドが自分の部屋に帰った後のことである。
消灯時間になり、ジェイドがベッドで目を閉じていると、何者かが病室に入ってきた。それが誰
かであるかは、すぐに分かった。
「ス、スカー・・・。こんな時間に、一体どうしたんだ?しかも、お前、歩けるのか?」
「フン、俺の回復力を侮るんじゃないぜ。」
「でも、そうすると、お前、明日から監視付きの特別の病室に移動なのか?」
「・・・」
スカーフェイスは、それには何も答えない。
「そっか、だから、来てくれたんだね。」
その後二人は、暫く他愛もない会話をしていた。

「スカー、俺、ちょっとしゃべりすぎて、喉渇いたみたい。」
ジェイドはそう言って、ミネラルウオーターのペットボトルを開けようとする。しかし、右手が使え
ないので、その動作はぎこちない。
「あ、スカー、お見舞いでペットいっぱいもらって、冷蔵庫に入ってるから、お前も好きなの飲ん
で。」
「では、お言葉に甘えて、頂くぜ。」
スカーフェイスはそう言うと、ジェイドが開けようとしていたペットボトルを手にとって開けると、一
気に水を口に含んだ。
「スカー・・・、冷蔵庫の新しいの飲めばいいのに・・・。」
ジェイドがそう言い終わらないうちに、スカーフェイスの口が、ジェイドの口を覆った。そしてその
まま、ジェイドの唇をこじ開け、自らの口に含んでいた水を流し込んだ。ジェイドの体が、驚きで
硬直した。
「ジェイド、もっと飲ませてやるか?」
「え、ちょっと、自分で飲むよ・・・。」
ジェイドがそう言い終らないうちに、再びミネラルウオーターを含んだスカーフェイスの口が、ジ
ェイドの口を覆った。そして、ジェイドの口の中に水を流し込んだ後、改めて深い口付けをし
た。
スカーフェイスの舌が、ジェイドの唇を割って中に入り、歯茎をなぞった後、ジェイドの舌と絡み
合う。そして、ゆっくりと舌に吸い付く。
「ちょ、ちょっとスカー、何するんだよ。」
ジェイドは暫くされるままになっていたが、息が苦しくなって、スカーフェイスから何とか唇を離し
て言った。
「フン、お前、俺とこういうことしたくてたまらなかったんだろ?」
スカーフェイスの顔が、笑っている。しかし、試合中の不敵な笑みと比べて、その目にはどこか
優しさが漂っている。
「だ、駄目だよ。こんなことしたら、レーラに怒られる!」
「フン、俺が折角いいこと教えてやろうとしているのによ。いつまでもレーラ、レーラじゃ、大人に
なれないぜ。」
その時、どういう訳か、ジェイドの脳裏にケビンマスクの姿が浮かんできた。あいつとスカーと
の間には、俺たちの知らない絆があるはずだ。ケビンは、スカーとの関係において、俺の遥か
先を進んでいる。もしかして、今が、ケビンに近づくチャンスかもしれない。
ジェイドは、これから起こるかもしれないこと・・・それは、おそらく師匠が望んでいないことであ
るが、それが実際にどんなことであるか、ジェイドには全く分からなかった・・・を受け入れること
で、自分とスカーフェイスとの距離が縮まるような気がしてならなかった。
ジェイドはいつの間にか、自然とスカーフェイスを受け入れ、再び唇を合わせ、互いにその舌を
貪っていた。

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