The Reason Why I Care For You (4)

バイソンの怪我は、大したことはなかった。もともと屈強な体の持ち主である。俺たちは、その
後毎日、いつも通りの夜を過ごした。

その夜、彼はいつもより酔っており、やけに上機嫌だった。
「マルス、お前、本当に可愛いな。俺、お前と一緒にいられて、本当に幸せものだぜ。」
「・・・」
俺は何と答えていいのか分からなかった。しかし、こいつは酔っているのだ。何も、真に受ける
必要はない。そいつは俺に腕枕をし、もう片方の手で俺の頬を撫でながら、続けて言った。
「マルス・・・お前は、可愛いし、賢い子だ。それだけでない。お前は、間違いなく強くなる。」
「・・・」
やはり、俺は何と答えていいのか分からない。
「お、俺は・・・10年後のお前を見るのが楽しみだ。さぞかし、美しくて賢くて強い、完璧な超人
になっているんだろうな・・・。もっとも、そんなお前は、もう、俺なんか、相手にしてくれないかも
知れないがな・・・。」
「バ、バイソン・・・。」
俺は初めて、そいつの名前を呼んだ。どう反応したらよいか分からない俺は、黙ってそいつに
口付けをした。
「お、お前・・・。」
こいつは俺をこんなに大事にしてくれているのに、俺は、こいつに何もしてやっていない。何を
してやればいいのか分からない俺は、奴の首筋、胸、脇腹、そして下腹部へと、黙って接吻を
繰り返していく。そして俺の唇は、そいつの両足の間のものにたどり着いた。
「お、お前・・・今日は一体、どうしたんだ?」
「・・・」
俺は相変わらず何も言わずに、そいつのものに接吻を始めた。そいつの巨大なものを、子供
の俺の口では咥えることはできなかったので、俺は、それの頭や、裏側、根元を、舌先で這い
回った。俺が心ならずも教え込まれた、男を悦ばす技だった。
「マ・・・マルス・・・。」
奴は喘ぎ声を上げる。俺は、黙って続ける。そして俺は、そいつの頭を加える。
「マ・・・マルス、駄目だ・・・。イっちまう・・・。」
そいつが俺の口を外そうと、俺の頭を抱えたが、俺は抵抗した。次の瞬間、そいつは俺の口の
中で放出した。
「マ・・・マルス・・・、すまん。」
俺は黙って、そいつの放出したものを飲み干した。

「お、お前、大丈夫か?今日は一体どうしたんだ?」
バイソンが俺に腕枕をしながら、語りかける。俺は、相変わらず、言葉が出ない。何もいわず
に、そいつのもう一方の手を握る。いつの間にか、そいつは俺の横でまどろんでいた。そして、
俺もいつの間にか、眠りに落ちた。
俺は、物心ついたときから、他人の横で眠ったことはなかった。そんな無防備なこと、できる訳
がなかった。しかし、この時は、なぜか安心できたのだろうか?俺は、そいつの腕にどこか居
心地の良さを感じながら、眠りに陥っていた。

それから何時間たっただろうか。もう、深夜の零時を上回っていただろう。俺が目を覚ましたと
き、そいつは帰る準備をしていた。
「すまん、マルス、起こしちまったな。」
「あ、いや・・・気にしないでくれ。」
「また明日、来るからな。」
「バ・・・バイソン・・・。」
俺がそいつの名前を呼んだのは、これが二度目だった。
「あんた、今日は少し飲みすぎてるだろ?今帰って、大丈夫かよ?」
「すまんな・・・。明日の準備が要るんでな。明日も絶対来るからよ、いい子で待ってろ。」
こいつは、こいつが帰ることを俺が寂しがっていると思っているのだろうか。とんだ勘違いして
いやがる。
「いや、俺は、あんたの身を心配しているんだ。あんた、この前、闇討ちにあっただろ。」
「何、俺のことは心配要らないさ。この界隈の超人の名で、俺に叶う奴はいないんだぜ。」
「・・・」
「じゃあな。」
そいつが俺のねぐらを出ようとしたとき、俺は思わず、そいつの手を握った。驚いて屈み込ん
だそいつに、接吻をする。
「お、お前、可愛い奴だな。」
奴はそう言って、俺の頭を撫でた。そして、俺のねぐらを出て行った。

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