My Favorite Pupil〜Wanna make love to a man tonight who
doesn't tell me to go to bed with him tonight〜 (1)

それは、入替え戦で重傷を負ったジェイドが退院して2週間くらい経った頃の出来事であった。
既にジェイドが退院したとき、スカーフェイスが病院を脱走した1週間が経っていた。

ブロッケンJrからの突然の呼び出しにバッファローマンは少々驚いたが、かつての親友であ
り、恋人であった時期もあったこの男が、今も自分を必要としていることを嬉しく感じた。
「久しぶりだな、ブロッケン。」
「バッファ、忙しいところ、突然呼び出してすまん。実は、相談したいことがあって・・・。こんなこ
と、人に相談するべきか、散々迷ったんだが、どうにも解決できなくて、相談するなら、お前しか
いないと思ったんだ。」
「別に、俺は構わねえよ。とりあえず、俺の行きつけの店があるから、そこに行って、話を聞く
ぜ。」
そう言って、バッファローマンは、ブロッケンJrを、下町にあるリーゾナブルな小料理屋に連れ
て行った。
「よう、ママ、今日は連れがいるから、カウンターじゃなくて座敷がいいぜ。」
「バッファさん、いつもありがとね。」
二人は、店の一番隅の座敷に上がった。

「食事は、ママのお任せでいいな?ブロッケン、お前何飲む?」
「とりあえずビールで。」
「ママ、ビール2本、お願いな。」
二人は、瓶ビールをグラスに注いで、乾杯を交わした。
「お、お前、久しぶりだよな。一応、HFの教官に誘った時と、入替え戦の準決勝前にあって入る
けど、あの時は、個人的に話をする機会なんかなかったもんな。とすると、事実上、30年ぶり
だな・・・。」
「そんなになるんだな・・・。バッファ、ご無沙汰していて、本当にすまなかった・・・。」
「俺、心配してたんだぜ。お前が、やはり祖国に戻って頑張ってみると言って、俺の元を去って
以来、全然連絡もくれなかったし、音信不通で・・・。後で聞いたところによると、お前、その後
随分苦労してたみたいだな。」
「いや、苦労というか、俺自身の問題で・・・。全く自分が情けなかっただけで・・・。」
「でも、ジェイドと出会ってからは、充実してたんだろ。」
「そ、そうなんだが・・・。実は、そのジェイドのことで、どうしてもお前に相談したいことがあっ
て・・・。」
そう言うブロッケンJrの顔に、翳りが見えた。

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