It Shouldn't Be Just a Memory... (2)

「ソルジャーキャプテン、失礼します。」
ソルジャーの泊まっている部屋に、バッファローマンとブロッケンJrが入ってきた。ワインとウイ
スキーの瓶を持っているようだ。
「キャプテン、お疲れ様でした・・・。改めて、ご挨拶がしたくて・・・。」
「いや、こちらこそ、本当に有難う。まあ、そこに座ってくれ。」
ホテルの部屋には丸机が一つあったので、バッファローマンとブロッケンJrはその周りに椅子
を置いて座り、ソルジャーは、ベッドの上に腰掛けた。
「これ、名古屋で買ったんですが、飲みませんか?」
ブロッケンJrがワインとウイスキーの瓶を取り出す。
「アイスとグラスはホテルで借りられると思うから、俺、取ってくるぜ。」
バッファローマンが言った。
「今日はもう、散々飲んで、飲みすぎだから酒はいらないが、付き合うだけなら付き合うぞ。」
ソルジャーは言った。

3人は、和気藹々と雑談を交えながら飲んでいた。バッファローマンとブロッケンJrは、当初は
挨拶のつもりで訪れたのだが、既に1時間半以上経過し、時計は、午前1時を回っていた。
バッファローマンは、ひどく酔っていて、呂律が回っていない。時々、訳の分からない下ネタも
出てくる。目はトロンとしていて、今にも眠りそうであった。バッファローマンもブロッケンJrも、
正義超人きってのアルコール好きであったが、アルコール自体には、ブロッケンJrの方が強い
ようであった。バッファローマンは、乱れるのも早い。
「ソルジャーキャプテン、バッファもひどく酔っているようですので、これで失礼します。本当に楽
しい時間を過ごさせて頂いて、有難うございました。」
ブロッケンJrは、バッファローマンを連れて、自分達の部屋に帰っていった。

部屋に着くやいなや、バッファローマンは、大の字になって眠った。ブロッケンJrも、もう寝よう
かと思ったが、バッファローマンの鼾がひどく、眠れそうにない。
ブロッケンJrは、しばらく悩んでいた。ふと、先ほどバッファローマンが変なことを言ったのを思
い出す。しばらく迷っていたが、思い切って、部屋を出た。そして、隣の部屋のドアをノックし
た。
「どうした・・・?」
ソルジャーが出てきた。
「あ、あのう、まだお休みじゃなければ、もう少し、お話させて頂いても、よろしいですか・・・?
俺、眠れなくて・・・。」
「私は別に構わないが・・・。」
ソルジャーはそう言って、ブロッケンJrを部屋に招き入れた。
「もしかして、バッファローマンの鼾でも五月蝿いのか?」
図星だったので、ブロッケンJrは既にアルコールで赤みを帯びている顔をさらに赤くした。
「だったら、私の部屋でゆっくりしていけ。ベッドも一つ空いているので、なんなら、泊まってって
もいいんだぜ。」
ブロッケンJrの顔が、さらにまた赤くなった。

二人は暫くの間、先ほどの続きのように話をした。
「ブロッケンよ、有難う。私は、お前をメンバーに選んで、本当に良かったと思っているんだ。」
「こちらこそ、正義超人の中ではまだ未熟で、大した実力もないこんな俺を買ってくれて、どれ
ほど嬉しかったことか・・・。」
「いや、私の方こそ、お前の若さ、自分の使命を果たす根性、思いっきりの良さ、機転・・・全て
買ってたんだ。だから、何が何でもお前だけは、絶対にチームメイトにしたかった・・・。ところ
で、話は変わるが、お前、今後どうするつもりだ?」
「お、俺は、祖国ドイツに戻って、祖国の平和に貢献したいと思っているのですが・・・。ブロッケ
ン一族の使命でもありますし・・・。」
「そうか、それは大変良いことだな・・・。新しい使命に向けて、是非頑張ってくれ。」

その後、二人はまだしばらく会話を交わしていたが、時計が午前2時を回った頃、ソルジャー
が言った。
「もうこんな時間か・・・。お前、今日はだいぶ疲れただろ。隣のベッドで横になったらどうだ。」
ブロッケンJrは、尊敬する上司の前で横になるなど、最初は気が引けたが、自分が休まないと
ソルジャーも休めないと思い、とりあえず、ソルジャーの隣のベッドで仰向けに横になった。ソ
ルジャーも、隣のベッドで横になる。照明を少し落として、部屋は、薄暗くなった。それでも暫く、
会話は続いている。
「眠くなったら、いつでも寝ていいぞ。」
ソルジャーはそう言うが、ブロッケンJrは、眠れそうもない。
あの人の隣で横になっている・・・。ドキドキしてたまらない・・・。何で、こんなに変な気分なんだ
ろう。あの人は、俺に何もしないのだろうか・・・。
そしてブロッケンJrは、これから訪れるかも知れない未知の経験に、密かに期待を膨らませて
いた。

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