Deja vu〜Feeling for You〜 (4)

「ス、スカー、お、俺、どうしたらいいんだ?」
ジェイドは情熱には逆らえないものの、初めての経験に、どうしたらよいか戸惑った。
あの時、あの入れ替え戦後の病院での一夜、ジェイドは確かにスカーフェイスに犯された。先
ほど、スカーフェイスのものを愛撫したのは、あの夜、彼が自分にしたことの一部を、本能的に
思い起こして再現しただけだった。しかし、ジェイドにとって全く初めての経験である今回の立
場は、あの夜のスカーフェイスの行為を思い出すだけでは、簡単に再現できるものではなかっ
た。

し・・・しょうがねえな。俺が教えてやるから、黙って俺の言うとおりにしてみろ。
そう言うスカーフェイスに、ジェイドは黙って従うこととなった。

・・・・・・・・・・

スカーフェイス自身は、女も知っているし、男を犯したことも、男に犯されたこともあった。
孤児として、生きるために体を張ったこともあった。また、スパーリングで倒した相手を陵辱す
るのは、dMPでは、当然に行われる儀式のようなもので、まだ幼い頃にdMPに入ったスカーフ
ェイスは、当然、犯されたこともあった。
dMP最強の座についてからは、犯す立場に立つことばかりでり、あのケビンのことも犯してい
る。dMPには専属の娼婦がいて、15歳以上は娼婦を抱くことを認められていたが、実力、容
姿ともに最高のスカーフェイスは、ナンバーワン娼婦にも不自由することはなかった。

しかし、スカーフェイス自身は、むしろ、物理的な、プリミティブな快楽には醒めていた。
物理的な快楽は有限である。スカーフェイスは、相手を犯すときは、物理的な快楽よりも、征服
感を味わいたかった。かつて病院でジェイドを犯したのも、あの優等生面した少年を、ボロボロ
にして、悪魔の自分の手で征服したいという願望からであった。
いや、実はジェイドに関しては、それだけではない。スカーフェイス自身は認めていないが、あ
の金髪の愛しい美少年を、自分だけのものにしたい・・・そのような願望もあった。
いずれにせよ、相手を犯すときは、プリミティブな快楽よりはむしろ、征服欲を満たすことを求
めていた。
そして、プリミティブな快楽と言う意味ではむしろ、受け手に回ったほうが奥が深いということ
を、スカーフェイスは知ってしまった。いや、これも実は、物理的な快楽というよりは、犯す立場
が当たり前であった自分が、犯されるという立場に立つという脳内の妄想が、たまらない興奮
を与えるのであった。
犯されることは、犯すことと比べて、快楽よりも痛みのほうが遥かに大きい場合が殆どである。
それでも、犯されているという脳内の興奮と、痛みの後に時折訪れる深い快楽は、単純に物理
的快楽を味わうよりも趣深いものであった。

そんな訳で、スカーフェイスは、ステディな関係においては、むしろ受け手に回ることを好んだ。
dMP時代、新入りのケビンをスパーリングで破って犯した後、ケビンを自分の弟分としてあれこ
れ世話をやくようになってからは、夜は受け手に回っていた。

・・・・・・・・・・

ジェイドはスカーフェイスの言葉に従ってスカーフェイスの中に侵入する。スカーフェイスは、ジ
ェイドのサラサラの金髪に覆われた頭を優しく撫でる。
うっ・・・ジ・・・ジェイド、お前の気持ちがいいように、腰を動かしてみろ。
何も用意がないので、正直、スカーフェイスはものすごく痛かった。しかし、その痛みに歪んだ
顔は、包帯に覆われ、かつ、上に乗っているジェイドは目が見えない。
スカーフェイスは、この金髪の少年に、こんな状況で犯されているということに、興奮を見出す。
ジェイドは、初めての経験であったが、本能的に、腰を動かし始める。純粋なジェイドは、スカ
ーフェイスよりも遥かに、プリミティブな快楽に忠実であった。
ジェイドの動きがだんだん早くなる。
スカーフェイスは、いつしか痛みの中に快感を感じるになる。
「ス、スカー!!」
ジェイドはスカーフェイスの名前を叫び、そのまま果てた。

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